鞭と待てと薬
「さて、ではさっそく調教を始めるか」
そう言ってグロダは飲み終えたコーヒーのカップを机に置くと、立ち上がりセレナに初めての命令を出す。
「シーツを取れ。まずお前の全裸を確認する」
グロダの低く冷たい声が部屋に響いた。その声に隠された威圧感に気づきながらも、セレナは首を振った。
「それは・・・嫌です」
グロダは目を細め、無表情のままセレナの首輪を掴み、軽く引っ張り上げるようにする。
「ううっ」
セレナの口から苦しげな吐息が漏れる。
だが、彼女はそれでもなお毅然とした態度を崩さない。
「嫌です!絶対に!」
その瞳には強い意志が宿っている。彼女の白い指先は体を覆うシーツをしっかりと握りしめ、絶対に離さないという意志を表していた。
「・・・そうか、躾けのなっていない牝犬には、やはりまずムチの痛みを味合わせる必要があるな」
グロダがまるで分っていたように、微かに笑いながら告げると、首輪の懲罰電流の魔力を発動させる。
セレナの首筋に一瞬魔力が走り、直後っ!
ビチッ
「ぎっぎっぐぁあぁあっ!!」
セレナが悲鳴を上げる。
セレナの体に走ったのは、まるで全身を鋭利な電流で刺し貫かれるような痛みだった。まぶたの裏が真っ白に染まり、神経が剥き出しにされたかのような感覚に襲われ続ける。
「あ”っ!あがぁあぁあっ!!」
乙女の物とは思えない野太い叫び声が喉から絞り出される。だが、その声ですら痛みの奔流にかき消されていく。
体の表面だけでなく、内側のすべて――筋肉、骨、内臓、血管、そして脳髄までもが焼き焦がされるような感覚に襲われる。
全身の筋肉が勝手に収縮し、意志とは無関係に体が弓なりに反り返る。
「お”ご!うぎゃぁあぁあっ!!」
ビクン、ビクンと床を転げまわり、打ち上げられた魚のように跳ねまわる。
まるで神経一本一本を切り裂いていくかのようだ。激痛の波が次から次へと押し寄せ、彼女の体を容赦なく蹂躙する。
「あ”っ!あがっ、うぎぃいぃいぃいっ!!」
激痛に絶叫を上げ続ける。その華奢な体はビクビクと痙攣し、無意識に腰が浮かび上がりブリッジのような姿勢になってしまっている。
「牝犬にはまずムチの味を覚えさせないとな」
グロダの冷たい声がセレナの耳に届く。だがそれに反応する余裕などなかった。
(や、めて・・・!無理・・・ッ、ぐっ!)
言葉にする余裕などない。頭の奥で何かが炸裂したような感覚がし、視界はぐらりと揺れた。もはや世界そのものが歪み、痛みだけが全てを支配していた。
呼吸が浅くなり、視界が滲む。痛みが完全に支配する中で、セレナはようやく気づいた。どれだけ誇りを守ろうと、この痛みの前では自分もただの
少女に過ぎないのだと。
「あ”・・・、お願い、しま・・・す・・・」
喉奥から掠れた声が漏れた。
「もう、逆らいませんから・・・もう許してください・・・っ」
悲痛な声でセレナは懇願する。彼女はプライドを捨てたのだ。
その言葉を聞き、ようやくグロダは懲罰電流を止めた。
「どうだ?これがムチの味だ」
グロダの冷たい声がセレナの耳に届く。だが、それに答える余裕などなかった。
激痛の残滓が彼女の体中を駆け巡り、呼吸すらままならない。
――そして残酷なムチは、セレナの体から最後のプライドすら奪い去った。
チョロチョロ
彼女の腰に力が抜け、次の瞬間、熱い感触が内股を伝った。それが何かを理解した瞬間、セレナの蒼い瞳が大きく見開かれる。
「あっ、ああっ!」
股の間から黄金色の液体が溢れ出る。セレナは屈辱のあまり顔を赤らめた。
「うぅ・・・見ないで・・・」
羞恥心に顔を背けようとするも、首輪の鎖がそれを妨げる。グロダの視線に晒されながら、セレナの股間から尿が流れ落ち床を濡らしていく。
「ほう、お漏らしか?この牝犬には下の躾けも必要なようだな」
グロダの揶揄する声が耳に届く。
「・・・うっ・・うぅっ・・・」
嗚咽が漏れる。痛みとは違う何かが心をかき乱していた。セレナは、自らの心が音を立てて崩れていくのを感じた。
ふとももを濡らす温もりと、それが冷たく変わる感触が、まるで自分の誇りが完全に打ち砕かれた証のように思えた。
誇り高くありたいと願ってきた自分が、こんな形で屈服させられるとは――それが彼女には、たまらなく惨めだった。
「立ち上がって体を見せろ。まずお前の全裸を確認する」
しばらくして、セレナがある程度落ち着くと、グロダが前回と全く同じ事を威圧的に告げた。
セレナの美しい顔は涙と鼻水でぐちょぐちょになり、シーツはとっくにはだけ全裸になっている。
グロダの命令に、セレナは一瞬だけ蒼い瞳を揺らした。だがもはや反抗する気力は無い。懲罰電流の痛みは彼女の魂の芯まで恐怖を刻み込んでしまっていた。
「・・・はい」
セレナは力なく答え、ノロノロと震える足で立ち上がった。
懲罰電流は、彼女から「反抗」という意志を根こそぎ奪っていた。今の彼女は、ただグロダに命令されるがまま動く人形だ。
だがまだ羞恥心はあるのだろう、股間とおっぱいを手で隠したままだ。
「牝犬のエロい体が良く見えるように、両手を頭の後ろで組んで腰を突き出せ」
乙女の恥じらいを踏みにじるグロダの非情な命令に、セレナは唇を噛みしめながらゆっくりと従う。
「こ、これで・・・いいですか?」
屈辱に顔を真っ赤に染めながらセレナが聞く。だがグロダは無情にも首を横に振る。
「足をもっとがに股に大きく開け、お前の道具が良く見えるようにな」
「・・・っ!」
一瞬躊躇する素振りを見せるも、すぐに諦めたように手を頭の後ろで組み直し、腰を突き出すようにして胸を張る。
誇り高い銀狼族の騎士隊長セレナであれば、絶対に従わない破廉恥な指示にも、今のセレナは涙で目を塗らしながら従順に従う。
それ程までに、先ほどの懲罰電流の激痛はセレナの心は屈服させていた。
「ふむ・・・やはり美しいな・・・」
グロダの視線の先には、奇跡のように美しい彼女の裸体があった。

まず目を奪われたのは、雪のように白く輝く肌だった。きめ細やかく生命力に満ち、全身が輝いて見える。
次に、非常に大きなおっぱいへと視線が移る。白磁の彫刻のように滑らかで、柔らかさと張りを兼ね備え、その頂には、桜の花のように愛らしい乳首がちょこんと乗っている。
プロポーションも完璧だった。
引き締まったウエストがその美しさを際立たせ、しなやかで力強い手足は、筋肉と柔らかさが絶妙に調和し、芸術と呼ぶにふさわしい美しさだった。
そこに腰まで流れるシルバーブロンドの髪が肩先からさらりと落ち、彼女の姿を幻想の女神のように引き立てていた。
「あ、あまり見ないでください・・・」
セレナが羞恥と怒りの入り混じった複雑な表情を浮かべる。
その表情にさえ魅了されるようだった。
「なかなか良い恰好だな、似合っているぞ。セレナに相応しい牝犬のポーズだ」
卑猥なポーズで屈辱に震えるセレナを見ながら、ニヤニヤとグロダが続ける。
「そうだな、このポーズを『待て』のポーズとするか。これから俺が『待て』と命じたらこのポーズをとれ」
「そ、そんなっ!」
セレナが悲鳴じみた声を上げる。しかし、その抗議を聞き入れられるはずもない。
「どうした?もう一度、懲罰電流が欲しいのか?」
「うっ・・・うぅ」
セレナが悔しそうに顔を歪める。懲罰電流の恐怖に彼女は逆らえない。
「返事は『はい』だけだ」
グロダは冷たく言い放つ。
「・・・はい・・・わ、わかりました」
消え入りそうな声でセレナが言った。
グロダは、屈辱に震えるセレナに近づくと、破廉恥なポーズを取る彼女の裸体を、舐め回すように観察する。
「胸も大きいし、尻も安産型だ。それにこの髪と目も良いな。素晴らしい素材だ、俺の牝犬に相応しい」
そう言って、グロダはセレナの胸元に手を伸ばし、彼女の胸を掴み揉む。
「きゃあああ!」
セレナは悲鳴を上げて、体をビクッと震わせた。
「ほう、感度も良いようだな。馬鹿まるだしのデカパイだ、牝犬に相応しい牝乳だな」
グロダはそう言って笑うと、今度はセレナの太ももに触れた。そしてゆっくりとその手を上に滑らせていく。
「ひっ!?」
セレナの体が震える。その体は恐怖でこわばっていた。
「いい太ももだ、むっちりして張りがある。胸といい尻といい本当にいい体だ」
「くっ・・・!」
セレナが屈辱で顔を真っ赤に染める。だが、そんな表情すら美しいと感じられた。
グロダは彼女の耳元に口を寄せ囁いた。
「このエロ尻も素晴らしいぞ。安産型で、形もいい」
そう言いながら、尻をいやらしい手つきで撫で回す。
「や・・・やめて下さい・・・」
セレナの目から涙がこぼれ落ちた。
最後に、彼女の顔を正面から覗き込み、その涙で濡れた美しい蒼い瞳を見つめる。
彼女の顔――奇跡ように整ったその造形に、グロダから思わずため息が漏れる。
高くツンとした鼻梁、引き締まった顎、そして形の良い唇が彼女の気品を際立たせていた。
(さすがはネームドキャラクター、今まで見たどんな女よりも美しい)
本来のゲーム設定ではあり得ない、この美しい銀狼族の少女を徹底的に堕とし尽くすのだ、という期待と興奮に彼の魂が震えた。
「馬鹿みたいなデカパイといい、張りのある肌といい、まさに、牝犬奴隷になる為に生まれてきたような体だな」
グロダは嘲り笑うと、セレナの耳元まで口を近づけて囁く。
「・・・お前を、俺の牝にしてやる」
その言葉に、セレナの背筋がゾクリとした。
その一瞬の隙をつき、グロダはセレナの唇を奪う。
温かく湿った感触が彼女の唇から全身に走る。
「んぐっ!?」
突然の出来事に、セレナが目を見開く。
「んんーっ!」
彼女は必死に抵抗するも、両手を頭の後ろで組んでいるため上手く力が入らない。
「くぅ・・・」
彼女は目を閉じ、必死に顔を背けようとする。
だが、グロダの手が彼女の顎を掴むと正面を向かせた。
レベル1に弱体化している彼女の力では、振りほどく力は無く、その弱々しい抵抗はかえって男の劣情を誘うだけであった。
その抵抗すら楽しむように、グロダの舌がセレナの唇を強引に押し分け、ゆっくりと彼女の口内を蹂躙していく。
「ん・・・くちゅ・・・はぁ」
彼女の抵抗も空しく、やがてその唇は完全に塞がれてしまった。
「・・・っ!」
セレナの目に涙が滲む。
「ん・・・ちゅぱ・・・」
セレナの口を貪る音が部屋に響き渡る。グロダは彼女の口の中を蹂躙し、歯茎の裏や上顎を舐め回す。そして舌を絡ませ、唾液を流し込んだ。
「んぐっ!?」
突然流し込まれた液体に驚きながらも、彼女はそれを飲み込まざるを得なかった。
(な、何これ・・・?)
グロダの舌が、彼女の白い歯を割って入り、口腔を蹂躙されると、彼女の口の中から妙な痺れのような快感が広がりどんどん強まっていく。
これは『設定変更』によりセレナに強制的に付けられた『キス好き』と『体液味フェチ』の効果であるが、彼女は知る由もない。
「ちゅ・・・っ、んっ・・・じゅぷ・・・」
グロダの舌がさらに深く入り込む。濃厚な唾液が流れ込み、彼女の口内を満たしていく。セレナはそのぬめりと甘い熱に翻弄され、息をすることすら忘れそうになる。
男臭い唾液がセレナの口腔を覆い尽くし、舌が重なり合う感触が頭をぼんやりとさせた。
「ん・・・くちゅ・・・はぁ…んむ・・・くちゅ・・・じゅっ」
(・・?なんで??・・あっ・・どうして?)
セレナは次第にその感覚に溺れていく。男の舌が彼女の舌と絡み合い、唾液が混ざり合う音が耳元で聞こえるほどだった。
「くっ・・・んんっ、ちゅる・・・」
(ああっ!口の中が熱くて……っ)
頭の中が蕩けそうになるほどの幸福感に、セレナは思わず身悶える。
全身の力が抜け、いつの間にか手は出らんと落ちてしまっている。
グロダは舌を巧みに使い、彼女の口内を蹂躙し続けた。その巧みな技によって彼女は徐々に力が抜けていき、抵抗力が弱まっていく。
(ああ……だめ……っ!)
やがて完全に抵抗する力を失ったセレナの唇を、グロダはゆっくりと解放する。二人の唇の間に銀色の橋が架かる。
「ふぅーあぁぁぁ・・・っ、はぁ・・」
彼女は思わず熱い吐息を漏らした。
肩で大きく息をする。その表情には先ほどまでの怒りは無く、上気し蕩けたような表情を浮かべていた。
グロダはそんな彼女を見て満足げな笑みを浮かべると、ゆっくりと彼女の唇から離れた。
「どうだ?俺のキスの味は?」
「あ・・・ああ」
セレナはぼんやりとした様子で、自分の唇を指でなぞる。
その仕草が妙に色っぽく見えた。
「ほら、もう一度だ」
「え・・・?あっ・・・」
グロダが再びセレナにキスをした。
先ほどよりも強く唇を押し付けられる。それはまるで貪るような荒々しさがあった。
「ふぅ・・・ちゅ・・・んっ!」
舌と舌が絡み合う感覚が、再び彼女の脳髄を痺れさせる。
セレナは思わずグロダに手を回し、まるで抱き着くような姿勢になる。
「んっ・・・くちゅ・・・」
彼女は抵抗することも忘れ、ただその快楽に身を任せていた。
グロダの舌が絡みつき、まるで彼女の口全体を掌握するような動きをするたび、セレナの喉奥から漏れる声が微かに艶を帯びていく。
(ああぁ・・ぅぅ・・・)
セレナの目尻には、それまでとは違う幸福の涙が浮かび上がりつつあった。
しかし、次の瞬間・・・。
(えっ!?)
突然、グロダの唾液の味が変わった。
グロダがなんらかの薬を唾液に混ぜ、流し込んできたのだ。
「んっ・・・ぅ・・・はっ・・・!」
口の中に広がる苦い感覚。セレナはそれをどうにか吐き出そうとするが、快感に弛緩しきった口では抵抗出来ない。
グロダの舌が唾液とともに押し流すように動き、薬の混じった唾液を喉奥へと誘導していく。
「くっ・・・やめ・・・んんっ・・・!」
彼女は必死に抵抗するが、ついに耐えきれなくなり、ゴクリっと反射的に喉を鳴らして飲み込んでしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
セレナは体を離し、涙目になりながらグロダを睨みつける。
「な、何を飲ませたの!?」
喉奥に広がる不快な味が、未知のものを飲み込まされた事実を否応なく突きつけてくる。
ドクン
次の瞬間、セレナの鼓動が大きく跳ねた。
全身にカッと火照り、白い肌に脂汗が噴き出る。
「うっうぅ。何これ?」
セレナは自分の体の異変に戸惑い、胸を押さえながらその場にうずくまる。
身体が異常に熱い。いや、それだけではない――肌が敏感になりすぎて、空気の触れ方すら気になってくる。
「ほう、もう始まったか?」
グロダはその様子を見て、満足げに口元を歪めた。そして、彼女の顔を見下ろしながら、冷静な口調で語り始める。
「お前が飲んだのはな、超強力な魔法媚薬だ。お前たちが追っていた魔法麻薬をさらに生成し『設定変更』した“エクスタシス・ノクターン”。言わば究極の魔法媚薬だな」
「な・・・っ!?」
その言葉にセレナは絶句する。
「効果は単純だ、発情と感度上昇、そして絶頂時の快感の増加、ただし全ての効果が極度のな」
「あ・・・ああ」
セレナは恐怖に顔を引きつらせる。全身の血が沸騰したように熱く、下腹部が疼き始めていた。
「その状態でセックスをすると、人間本来の限界を超えた快感を、脳に焼き付ける事が出来る。俺がこちらの世界で作り出した最高傑作の一つだ」
セレナは震える手で腕を擦り、冷や汗をかきながらも必死に理性を保とうとする。しかし、その努力は虚しく、薬の効果が徐々に彼女を支配していく。
「あ・・・ああ・・・体が・・熱い・・・」
「すぐにもっと強くなるぞ。」
グロダは彼女の顔に近づき、彼女の耳元でささやく。セレナの耳が敏感に反応し、ぞくりとした震えが背筋を走る。
その感覚に彼女は恐怖し、目を閉じようとするが、それすらも許されないようにグロダは手を伸ばし、無理やり彼女の顔をこちらに向けさせる。
「絶対的な快楽はな、味わった人間を依存させるんだ。お前もすぐに、薬を使って俺とセックスしなければ生きている実感すら得られなくなる。そしてセックスを繰り返せば繰り返すほど、快楽と依存は強くなっていく」
「あ・・・ああ・・・いやぁ・・・」
グロダの言葉が頭の中で反響する。
心臓が鼓動するたび、胸が焼けるように熱くなる。汗が肌を伝うたび、その感覚が神経を刺激し、無意識のうちに息が荒くなっていた。
セレナは自分の肉体の変化に恐怖した。そして、必死にグロダに許しを請うような視線を送る。
「た、助けて・・・お願い・・・もう酷い事はしないで」
彼女は泣きそうな表情で哀願するが、もちろん無駄だった。
「駄目だ。お前は、これから俺専用の牝犬になるんだからな」
セレナは顔を両手で覆い、必死に冷静さを取り戻そうとした。しかし、それも無駄だった。喉が乾き、唾を飲み込むたびに空虚な渇きが襲う。
舌が何かを渇望している。まるで、無理矢理奪われたあのキスすらもう一度味わいたくなるような感覚が頭をかすめた。
「今まで3人に使ったが、全員途中で『壊れて』しまった。誇り高い銀狼族のお前ならどうかな?」
グロダの冷たい声が耳元で囁くたび、その響きがまるで脳の奥に直接触れるように広がっていく。
彼女の体は既に普通ではない反応を見せ始めていた。熱い――いや、熱すぎる。肌全体が焦げるような熱を帯び、内側から体が煮えたぎるようだった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
呼吸が激しくなり、心臓が激しく鼓動する。まるで自分の体が自分のものではないような感覚だった。
セレナは否定するように首を振るが、その動きですら首筋を伝う髪の触感が鮮明すぎて耐えがたい。汗が滲むような生温かさが肌を覆い始め、額にはじわりと冷たい滴が浮かぶ。
グロダは彼女の反応を楽しむように、ゆっくりと彼女の首筋に指を這わせた。
ただそれだけで、予想以上に鋭敏な反応を引き起こす。
「んんあっ♡」
首筋に触れられただけで、セレナの喉から艶めかしい喘ぎ声があふれ出る。
「ほう、なかなかいい声で鳴くじゃないか」
グロダはニヤリと笑うと、さらに首筋から鎖骨へと指先を滑らせる。その指先が触れるたび、セレナの体がビクンと跳ね上がる。
(だ、だめ・・・これ以上されたら・・・)
彼女は心の中で必死に抵抗するが、体はもう完全に発情しきっていた。
まるで自分の体ではないように敏感になり、少し触れ合っただけで電気が走るような感覚に襲われる。
「はぁ・・・んっ♡・・・くぅぅ♡」
呼吸が荒くなる。心臓が激しく鼓動し、全身に汗が滲む。
「や、やめてぇ・・・」
彼女は弱々しく懇願の声を上げるが、当然聞き入れられるはずもない。
触れられた箇所から強烈な快感が広がり、全身の神経を伝って脳髄まで駆け上っていく。
「これからどれだけお前が乱れても、それは媚薬の効果だ。お前のせいじゃない」
グロダの声が、セレナの耳に直接響き、彼女の心臓を打つ。背中を走るぞくりとした感覚に、セレナは体を震わせながらも、どうにか理性を保とうと必死になる。
しかし、その努力も次第に薄れていき、目の前の世界がゆっくりと極彩色に輝きだし、薬の力に飲み込まれていく。
ドサリ
「ふひゅ♡」
いつの間にかベッド脇へ後退していたセレナは、グロダに抱きすくめられるまま、ベッドの上に倒れ込んでいた。